特別展「はたらく装いのフォークロア」埼玉県立歴史と民俗の博物館

「麦刈り」(撮影:羽生市内、埼玉県立歴史と民俗の博物館蔵)

特別展「はたらく装いのフォークロア」埼玉県立歴史と民俗の博物館

はたらくことは、生きること。四方を海に囲まれ、豊かな山林や肥沃な大地に抱かれた日本では、人びとはさまざまな環境で農耕、狩猟、漁撈などに励んできました。

その際に身に着けた衣服や用具からは、はたらくための実用的な工夫やさりげない美意識がうかがえます。本展では、各地に伝えられてきたはたらく装いから、フォークロア(民間伝承)の知恵を見つめます。

重要有形民俗文化財「北武蔵の農具」ジュバン(埼玉県立歴史と民俗の博物館蔵)

実用的な中に垣間見える美意識 仕事着は動きやすく汚れにも強いことが前提ではありますが、無地ではなく絣模様を、単調な刺子ではなく模様に複雑さを、といったように、見た目に対する作り手や使用者のこだわりも光ります。継接ぎ一枚充てるのにも、仕上がりが美しく見えるよう工夫された仕事着の美もお楽しみください。

重要有形民俗文化財「大森及び周辺地域の海苔生産用具」ノリゲタ(大田区蔵)

田畑・山・海のはたらく装いが大集合 仕事着はそれ自体がコレクションとして、または生産用具のコレクションに含まれる形で収集が行われてきました。その中には、文化財に指定されたものもあります。本展では、国の重要有形民俗文化財「北武蔵の農具」、「秩父の山村生産用具」、「房総半島の漁撈用具」、「大森及び周辺地域の海苔生産用具」を中心に、約170点の関連資料を紹介します。

千葉県指定有形民俗文化財「房総半島の万祝及び製作関連資料」万祝着(館山市立博物館蔵)
猟師衣装(栃木県立博物館蔵)

機能をつきつめたらこの形―意外な仕事着 仕事着には動きやすく汚れにも強いことが求められますが、巨大な下駄、片方しかない手袋、紐のついた板状の皮など、見ただけでは使い方のわからない品々も並びます。海士(あま)が着用したフンドシは最古の仕事着ともいえるでしょう。装いを構成する衣類や用具から、人々がどのようにはたらいてきたかを考えます。

特別展「はたらく装いのフォークロア」埼玉県立歴史と民俗の博物館

  • 会期:2025年3月15日(土)~5月6日(火・振休)
  • 会場:埼玉県立歴史と民俗の博物館 特別展示室
  • 時間:9:00~16:30(観覧受付は16:00まで)
  • 休館日:月曜日(ただし3月24日、5月5日は開館)
  • 観覧料:一般600円、高校生・学生300円 など
  • 問い合わせ:電話 048(645)8171
  • ホームぺージ:https://saitama-rekimin.spec.ed.jp/
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