【レポート】「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」森美術館
27年ぶりとなる国内最大の個展、作品の半数以上が日本で初公開
ルイーズ・ブルジョワ(1911年パリ生まれ、2010年ニューヨークにて没)は、20世紀を代表する最も重要なアーティストの一人です。
70年にわたるキャリアの中で、インスタレーション、彫刻、ドローイング、絵画など、さまざまなメディアを用いながら、男性と女性、受動と能動、具象と抽象、意識と無意識といった二項対立に潜む緊張関係を探求しました。
ブルジョワの芸術は、主に自身が幼少期に経験した、複雑で、ときにトラウマ的な出来事をインスピレーションの源としています。
彼女は記憶や感情を呼び起こすことで普遍的なモチーフへと昇華させ、希望と恐怖、不安と安らぎ、罪悪感と償い、緊張と解放といった相反する感情や心理状態を表現しました。
さまざまなアーティストに多大な影響を与えているブルジョワの芸術は、現在も世界の主要美術館で展示され続けています。
日本では27年ぶり、また国内最大規模の個展となる本展では、100点を超える作品群を、3章構成で紹介し、その活動の全貌に迫ります。
本展の副題「地獄から帰ってきたところ言っとくけど、素晴らしかったわ」はハンカチに刺繍で言葉を綴った晩年の作品からの引用です。
この言葉は、ブルジョワの感情のゆらぎや両義性を暗示しつつ、ブラックユーモアのセンスをも感じさせます。
自らを逆境を生き抜いた「サバイバー」だと考えていたルイーズ・ブルジョワ。
生きることへの強い意志を表現するその作品群は、戦争や自然災害、病気など、人類が直面する、ときに「地獄」のような苦しみを克服するヒントを与えてくれることでしょう。
「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」
- 会期:2024.9.25(水)~ 2025.1.19(日)
- 会期中無休
- 開館時間:10:00~22:00 ※火曜日のみ17:00まで ※ただし、2024.9.27(金)・9.28(土)は23:00まで、10.23(水)は17:00まで、12.24(火)・12.31(火)は22:00まで ※最終入館は閉館時間の30分前まで
- 会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
- 料金:[平日]一般 2,000円、[土・日・休日]一般 2,200円 など
- ホームぺージ:https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/bourgeois/
- 問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)